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第24回 ◆2007年2月◆


 他 諺 の 空 似
ことわざ人類学
   米 原 万 里  - 光文社 刊


その一。本当に偉い(要するに、人々の尊敬と信望を集めるに相応しい業績を持つ)人というのは、こちらが拍子抜けするほど、威張らない。可愛らしいほど謙虚で、率直で、飾らない。つまり、いろいろ欠点はあるにせよ、基本的には高潔な人が多い。結果として、心から尊敬され、愛される。尊敬と愛は、当人をさらに優しく善良にする。
その二。本当は偉くないのに、一応エライという立場を占めている(その一の逆で、見るべき業績は無い)人というのは、辟易するほど威張りたがりが多い。 いちいち相手を値踏みし、 自分よりステータスが上か下かをバッカじゃないかというほど真剣に気にかけ、上に対しては己の人格を捨ててへりくだる分、下に対しては傍若無人に振る舞う。結果として、周囲からは心から軽蔑され、嫌われるものの、表面的には、腫れ物に触るように慇懃に遇される。それを敏感に察知するのか、当人は、さらに手を付けられなくなるほど居丈高になる。
というわけで、通訳者だけでなく、身の回りの世話をする随行者や、招待した組織の接待役も、その一タイプに出会えた幸運を神に感謝する分、その二のタイプに遭遇した不運を嘆いて悪魔を呪う。
そして、 困ったことに、 その二タイプは、実に頻繁に、その一とセットになって現れる。というのは、その一タイプの令夫人か令嬢というパターンが圧倒的に多いからだ。

                 中略

虎よりも、虎の威を借る狐 の方が、残酷なものである。
ここからわたしが導き出した諺は、悪魔は常に天使とセットでというもの。
そして、観察を続けるうちに、虎の威を借る狐 だけでは解釈できない面を発見した。
あれは、一種の分業なのではないか、と。
世間的に純情無垢、天衣無縫を演じる事を求められる偉大な画家や作家や音楽家も霞だけを食べて生きていけるわけがなく、その生計を成り立たせるために遣り手の奥さんとか、娘とか、マネージャーが汚れ役を演ずる、という。
(242ページ「禍福は糾える縄のごとし」より)

米原万里さんが「20年間通訳として、観察し導き出した一般論らしきもの」
おもしろいので紹介させていただきました。

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